今年の3月5日は元宵節だ。中国では旧暦1月15日の元宵節が終わると、漸く新しい年が始まるという実感が湧いてくる。元宵の元は1月、宵は夜の意味で、旧暦1月15日は新年最初の満月の夜になる。
この日、人々は新しい春の到来を祝って、提灯に火を灯し、月を眺め、提灯に貼られた謎々を当てたりしながら一家団欒して過ごす。
元宵節の由来元宵節の歴史は長く、早くも戦国時代に、正月十五日に灯篭見物をしたり、お月見をする風習があった。最初は太陽神を祭るためで、当時「東皇太一」あるいは「東君」と称した。元宵節が民間の祭日になったのは漢の時代で、漢の恵帝劉盈の死後に呂后が帝位を奪った。呂后の死後、一心に漢朝を保とうとしていた周勃や陳平たちは、協力して呂の一族を一掃し、劉恒を皇帝にした。これが漢の文帝で、文帝は群臣の建議をいれて、難民を救済し、心をくだいて国を治めたため、漢帝国はふたたび強大になった。呂の一族を平らげたのが、ちょうど正月の十五日だったので、毎年この夜に、文帝はおしのびで宮廷からぬけだし、民といっしょに楽しんで記念とした。古代に夜を宵といい、正月を元月といったので、漢の文帝はこれにちなんで正月十五日を元宵節と名づけたのだそうだ。
元宵節の伝統花灯見物旧正月十五夜、中国各地ではお祭りや行事があり、「花灯見物」のような行事がよく行われており、道は灯りに溢れている。人々は灯篭を見物し、字謎遊びを解き、子供たちは皆手に色鮮やかな灯篭を持って遊んでいる。
猜灯謎「猜灯謎」とは灯篭に書かれた謎々を解く遊びだ。メモ用紙に書いたいろいろな灯謎が灯篭に張られ、解けた人は景品がもらえる。こういう風物は娯楽であるとともに知恵に溢れているため、広く知られている。
獅子舞獅子舞は中国の伝統的な民間芸能で、元宵節や年中行事のたびに、民間では獅子舞を呼んで座を盛り上げる。かつて獅子舞は勇敢さや力のシンボルと見なされ、邪気や悪霊を払うことができ、そして、人や家畜の命を守ってくれると信じられていた。獅子舞に、生活の吉祥や家族の平安などの願い事が含まれている。
元宵団子を食べる元宵節では、人々はもち米の粉で作った「元宵(ユェンシャオ)」や「湯園(タンユエン)」という団子を食べる習慣がある。
「元宵」と「湯園」「元宵」と「湯園」はそれぞれ作り方や材料が異なっており、そのため味も若干異なる。
「元宵」は、もち米を水で浸した後、石臼で挽いて作ったもち米の粉を使い、もち米に餡を入れてから団子の形に成形する。乾いた粉を使うので、中につめる餡は少し硬めだ。通常はさまざまなドライフルーツを入れるので、口にしたときに歯ごたえがある。これに比べると、「湯園」は水の中で挽いた湿った粉を使っているので、非常にきめ細やかだ。もち米の粉に油を入れて成形してから餡を入れるので、餡の中には、大きなドライフルーツなどは入っていない。特徴は食感がなめらかで柔らかいことだ。
■元宵の健康的な食べ方
「元宵」や「湯園」には大量の片栗粉、砂糖、油が入っているので、たった4粒の「元宵」でも茶碗一杯分のご飯のカロリーに相当する。カロリーが相当高いため、適当なところで食べるのをやめておいたほうがいい。食べ過ぎるとカロリー超過となり、胃腸に負担がかかるため、胃腸炎や胃の膨張感、消化不良などの症状を引き起こす。調理方法として、揚げ「湯園」はお勧めしない。やはり煮て食べることを勧める。大連市栄養士クラブの栄養士?劉濱さんは、「元宵はカロリーや糖分のほかには、栄養素がほとんど含まれていない。このような食べ物は朝食には向いていない。また、夜寝る前にも食べないほうがいい。胃腸の機能が弱い人は、元宵を食べるとパントテン酸が生成されるほか胸焼けなどの症状も起こる。このため、元宵は食べ終わった後に、軽い運動をするなどして、2時間以上たってから寝るようにしたほうがいい」とアドバイスする。
「元宵晩会」を見逃すな中国中央テレビ(CCTV)で5日に放送される「元宵晩会」見どころ5つも発表されている。
◎まず、期待されていながら時間の関係で「春晩」からカットされてしまった、人気女優の佟麗婭(トン?リーヤー)や秦嵐(チン?ラン)、王麗坤(ワン?リークン)、馬蘇(マー?スー)らが、中国古代四大美女として知られる西施、貂蝉、王昭君、楊貴妃を演じるスペシャル演目「国色天香」。
◎また、人気歌手?張傑(ジェイソン?チャン)は、ドラマ「二炮手」のエンディング曲「老婆」を披露する。
喜劇団「開心麻花」の艾倫、王寧、常遠はコント「心病」を披露する。同コントでは、一人暮らしをする高齢者の悩みが原因のハプニングを描くなど、社会問題をテーマにしており、ユーモアの中にも温かみがある内容となっている。
◎また、ピアニスト?郎朗(ラン?ラン)がカナダのMelodyYangとコラボし、泡マジックショー「幻彩旋律」を披露する。
◎マジシャンの松明がマジックショー「心霊遊戯」を披露する。